• (身体と)頭が冴える時間帯

    歯科大学を卒業したのが1997年なので、2023年現在では歯科医師としての人生の方が歯科医師になる以前の人生よりも長くなっている。これだけの期間を長期中断する事無く、歯科医師として診療に携わっていると、筆者には歯科医師としての適性があり間違いなく歯科医師としての才能がある事を自覚する。今後も可能な限り歯科診療に携わっていきたいと考えているので、診療スタイルは大きく変わらないだろう。

    自分自身の(身体と)頭が冴える時間というのを完全に把握している事と、この先も歯科医師としての人生が長く続く事を理解したので、筆者の診療スタイルは確立されている。
    筆者の(身体と)頭の冴える時間帯は当クリニックの診療時間とリンクしている。外来小手術とは言え、口腔外科領域の治療は観血処置なので、当クリニックの診療時間が外来小手術までを含んだ歯科治療の適切な診療時間と考えている。特に施術可能な歯科医院が限られているインプラント治療では時間軸を長く考える必要がある場合もあるので、筆者の歯科医師としての人生の時間軸も長く考える必要がある。

    術者が健康で無ければ疾患を治療する事は不可能なので、心身共に健全である(身体と)頭が冴える時間帯に集中して診療をしていきたいものである。

     

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

    〒110-0005

    東京都台東区上野6-16-16 上野ORAGAビル6F
    03-5816-0345
  • 同級生を治療する

    同じ場所で15年以上クリニックを運営していると、同級生が筆者を訪ねて来る事がある。多くの場合は歯科治療を目的として訪ねて来るので、主訴の解決を目的とした歯科治療を行う。
    同級生の多くは会話のテンションも同級生のままなので、診療モードの筆者との解離はあるが、特に大きな問題は無い。診療中の筆者は集中しているが、例外的に同級生の診療中は学生時代を思い出す事も多い。卒業から30年以上経過してから、同級生の治療するのは非常に奇妙な経験ではある。

    長らく会っていなかった同級生でも少し会話すると、お互い学生時代に戻った様に感じるのは不思議なものである。筆者は私学の中高一貫校に通わせてもらったので、同級生とは6年間同じ時間を過ごしたという経緯があるが、学生時代に同級生の口腔内を治療するとは夢にも思わなかった。

    近年では趣味とライフスタイルが近い人と行動を共にする事が多かったので、筆者にとって同級生というのは特異な存在ではあるが、昔を思い出しながら治療するのも良いものである。

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

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  • 歯痛のツーリスト

    当クリニックが上野駅前という立地である為に、外国人旅行者の患者さんがいらっしゃる事が多い。近隣のホテルからの問い合わせで予約を取られるケースが多いが、突然いらっしゃる方も居る。どの患者さんも痛みを主訴として来院するので緊急ではあるが確実な治療が求められる。旅行中の歯痛は耐え難く、悪影響が大きいので確実に歯痛を抑える必要がある。当院の応急治療で歯痛が収まれば日本の旅行も楽しんで貰える筈である。近年では2週間以上日本国に滞在する旅行者も多い。

    レントゲンを撮影し入念な問診の後に口腔内を診査して診断を行うが、日本国と特にヨーロッパでは歯科治療の環境が大きく異なるので,過去の治療履歴を見て考えながら、現在の口腔内環境を把握して歯痛の原因を特定する。(通院出来ないという)限られた条件の中での除痛は高度な診断スキルを要求されるが、少なくとも帰国までには痛みが再発しない様に、確実な治療をする。治療終了後には筆者の名刺を渡して、日本国内で歯痛が再発した際は連絡する様に伝える。

    帰国までの日は何となく覚えているので、帰国日が過ぎて連絡が無いという事は、歯痛の再発が無かったという事である。
    当クリニックは日本国の観光と、イメージアップに少なからず良い影響を与えている筈である。

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

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  • 膨大な知識で診断する

    インプラントに精通している歯科医師であれば、インプラント手術に関しては術前の診査・診断と準備が65%~70%程度のウエイトを占めていることに異論は無いだろう。クリニック外でのインプラントに関する世間話には膨大な知識と経験がある為に簡単には答えられないという認識にも異論は無いだろう。

    CT画像・口腔内を再現した模型を参考にしながら、術前の診査・診断を行う際にはあらゆる事を考える。ありとあらゆる可能性を考えてイマジネーションするので、非常に時間が掛かるがこれはインプラント治療には必要不可欠の内容である。仮に知識と経験の浅い歯科医師と、知識と経験の深い歯科医師とが同じ症例を診査・診断した場合には、同一の診断結果と治療方針と手術プロトコールになる可能性は非常に低い。全ての歯科治療には膨大な知識と経験と治療センスが不可欠なのである。

    インプラント手術当日には、起こりえる事象を事前に考え尽くしているので、全てがコントロールされている為に非常にシステマティックなオペレーションで進行する。インプラント治療の診査・診断の段階から、最終的な修復形態を予測しているので、治療全体としても非常にシステマティックに進んでいく。治療完了後に筆者の予想通りに患者さんが喜んでくれるのは非常に嬉しいが、この患者さんの笑顔も顔貌全体との調和を考慮した診査・診断の段階に予想している。

    インプラント治療は筆者に歯科医師としての興味と研鑽を維持させてくれる。コロナウイルス騒動で中断していたインプラント関連のセミナー・講習会が復活しているのは嬉しいが、参加者が50代の歯科医師が中心であるのが気になる所である。歯科医師としての筆者の引退はまだまだ先になりそうな気配である。

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    理事長 北田雄丈

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  • 身近なセカンドオピニオン

    当院の歯科衛生士が家族の歯科治療で相談があるという。自宅近くの歯科医院で診察を受けた際の治療内容とインプラントの説明に疑問があるとの事である。症状と経過を聞き、レントゲン写真とCT画像の写メをスマートフォンで見せて貰うと、筆者の診断と治療方針とは全く一致しない。やや遠方ではあるが、セカンドオピニオンをご希望で後日当院に相談にいらっしゃる事になった。

    拝見してみると、治療方針立案と治療費用のお話しの前に、先ずは全体的な状況の把握と診断が必要である事を確認した。要するにやや難症例なのである。咬み合わせに重要な歯をフォローして、患者さんには早期の段階から治療中もしっかりと噛んで頂ける事が重要な事をご説明した後に、各種資料の為の型どりを行う。治療の初期の段階から患者さんの日常生活のクオリティを低下させない為に、仮の歯の準備と歯周初期治療をして1回目の治療は終了した。
    診断の結果、中心咬合位は確保されているので、咬合の再構築は不要であったが、咬合平面の再構築は必須である事が判明した。抜歯が必要と言われた歯に関しては、積極的に抜歯する理由は無かった。

    2回目の治療では、模型とレントゲンを使用して状況の説明をした後に仮の歯をセットした。抜歯が必要と言われた歯が残せる事の確認を兼ねて使用して頂くのである。欠損歯の修復治療計画にはCT画像が必須なので、改めてCT撮影のアポイントを取り治療は終了した。
    CT画像と模型を元に診断を進めると様々な事が判明する。外来小手術の前に口腔環境を損ねている歯の抜歯が必要であり、欠損歯の修復の前に積極的な初期治療が必要という診断である。

    3回目の治療では親知らずの抜歯と歯肉縁下の歯石除去を行い、今後の治療をご説明した。
    治療完了までにはある程度の日数が必要であるが、外来小手術を含む治療期間中には、初期治療により患者さんの日常生活のクオリティは低下しない様に工夫をする。
    次回以降の治療も外来小手術を前提とした初期治療を継続する予定である。

    患者さんにはセカンドオピニオンの重要性と、上記の様にセカンドオピニオンを受けるタイミングも大切な事を知って欲しい。
    難症例には正確な診断と綿密な治療計画が不可欠なのである。

     

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

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