リカバリー能力
歯科医師に最も必要な要素は、リカバリー能力であることは論を待たないだろう。
実際の所、リカバリーへの対応の殆どはクリニック内のマテリアルを使用すれば解決出来るのだが、誰にでもこういった発想が出来る訳ではない。
日々の臨床のに使用するマテリアルへの理解が浅いと、単一の使用に終始してしまい、応用する事が出来ない。
日々、単純で簡単な診療に終始しているだけでは歯科治療に重要なイマジネーションが湧いてくることは絶対に無い。
一般的には難症例に分類される治療を日常的に行っていると、イマジネーションの重要性を良く理解出来るが、こういった会話が歯科医師同士で成り立つ確率は33%なのが現状なのである。
時間というのは残酷な物で、1年もあっという間に過ぎてしまう。歯科医師としての経験年数だけが長くても、治療に対するイマジネーションとリカバリー能力を持たない歯科医師は多い。
歯科治療という分野は細かい作業の積み重ねなので、今日新しい講習を受けたからと言って、明日から劇的に治療技術が向上すると言う事は絶対に無い。
日々の診療と患者さんに真摯に向き合う事の積み重ねで、初めてスタートラインに立てるのが現実であろう。
歯科医師として臨床に携わって25年が経過すると、業界全体の向上という事も考慮する様になる。
2022年も間もなく終盤である。
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