ここのところ当コラムは歯科とは関係ないことを書いている。2015年に入ってから実は診療が忙しい。このコラムは私の気分転換・忘備録を兼ねているので今回も歯科とは関係のないネタである。お題は928GTS。

　自動車という工業製品において自分が信じるところのベストなモデルを作り上げ、なおかつ年々改良し会社のメイン商品にしていきたいと考える。しかしその車が全然売れない事がある。何故か会社はひたすらエンジンとパフォーマンスの向上に邁進してクルマは年々不良化。益々売れなくなる。その頃は会社は何度か目の倒産の危機になる。

　そんな悲劇の車の最終進化系、928GTSを見てきました。良く考えてみると928に座るのは人生初。実は程度さえ良ければ乗ってもいいかな？とうっすら思っていました。が、現実は厳しかった。

• 内装は1978年デビュー時とほとんど変わっていない？頭の中を1980年代に戻しても内装がズバリ・安っぽい。
• エンジンのパワーアップよりも内装の改良が先だったのでは？
• これほど顧客の希望と出来上がった車の落差が激しい車も珍しい。
• 実はコンバーチブルモデルも計画されていたが米国のブラックマンデーで頓挫。
• 海外では人気車種。買っても損はしないと思う。

928GTS（売り物）のハンドルを握りしめて思った。自分のお客さんの要望を知るのが第一でエンジニアリングはその次なのだと。自分のクリニックの方向性を間違わないようにしなければという良い教訓になった。

医療法人社団　K-スマイルデンタルクリニック
理事長　北田雄丈

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