基準点
連続していたインプラント施術も一段落したので、インプラント治療について書いてみたい。インプラント治療の前には、いわゆる初期治療と平行して徹底的な口腔内の分析を行う。徹底的な分析には資料が必要なので、口腔内模型・レントゲン・CTを準備する。各種資料を元にインプラント治療に必要な分析を始めるが、大切なのは患者さん独自の基準点を決めることであろう。インプラント治療は埋入角度と深度が非常に大切なので、患者さんの基準点を頭に入れて分析を進める。
実際の手術は分析結果を基に決まった手順に沿って淡々と行われる。分析により、手術中に起こりうるであろう事象も全て把握しているので、淡々と手術は進行する。実は手術時間は患者さんが異なっても、埋入部位と埋入本数によりほぼ決まっている。現代のインプラント治療では、術前に入念な準備をする事が大前提なので、治癒期間が早い傾向にある。筆者の感覚では、インプラント治療の時間配分は、術前の分析と準備が70%なので、インプラント治療が続いても問題は無いのである。
インプラントの安定を待って歯の部分を作成するが、この場面でも当初の分析通りに淡々と治療を進める。分析後に術後のメインテナンスまでを考慮した治療計画を立てるので、定期検診時のメインテナンス、長期間のメインテナンスも淡々と行われる。インプラント手術だけは体力と気力を必要とするが、分析と準備が完璧であれば、患者さんの負担は大幅に低減される。
当クリニックでは非常に多くの患者さんがインプラント治療を選択して下さるが、上記分析を徹底的に行っているので、患者さんへの説明時に詳細に説明出来るのも一つの理由であろう。
コラム執筆よりもインプラント治療の分析と準備を優先している。
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