身近なセカンドオピニオン
当院の歯科衛生士が家族の歯科治療で相談があるという。自宅近くの歯科医院で診察を受けた際の治療内容とインプラントの説明に疑問があるとの事である。症状と経過を聞き、レントゲン写真とCT画像の写メをスマートフォンで見せて貰うと、筆者の診断と治療方針とは全く一致しない。やや遠方ではあるが、セカンドオピニオンをご希望で後日当院に相談にいらっしゃる事になった。
拝見してみると、治療方針立案と治療費用のお話しの前に、先ずは全体的な状況の把握と診断が必要である事を確認した。要するにやや難症例なのである。咬み合わせに重要な歯をフォローして、患者さんには早期の段階から治療中もしっかりと噛んで頂ける事が重要な事をご説明した後に、各種資料の為の型どりを行う。治療の初期の段階から患者さんの日常生活のクオリティを低下させない為に、仮の歯の準備と歯周初期治療をして1回目の治療は終了した。
診断の結果、中心咬合位は確保されているので、咬合の再構築は不要であったが、咬合平面の再構築は必須である事が判明した。抜歯が必要と言われた歯に関しては、積極的に抜歯する理由は無かった。
2回目の治療では、模型とレントゲンを使用して状況の説明をした後に仮の歯をセットした。抜歯が必要と言われた歯が残せる事の確認を兼ねて使用して頂くのである。欠損歯の修復治療計画にはCT画像が必須なので、改めてCT撮影のアポイントを取り治療は終了した。
CT画像と模型を元に診断を進めると様々な事が判明する。外来小手術の前に口腔環境を損ねている歯の抜歯が必要であり、欠損歯の修復の前に積極的な初期治療が必要という診断である。
3回目の治療では親知らずの抜歯と歯肉縁下の歯石除去を行い、今後の治療をご説明した。
治療完了までにはある程度の日数が必要であるが、外来小手術を含む治療期間中には、初期治療により患者さんの日常生活のクオリティは低下しない様に工夫をする。
次回以降の治療も外来小手術を前提とした初期治療を継続する予定である。
患者さんにはセカンドオピニオンの重要性と、上記の様にセカンドオピニオンを受けるタイミングも大切な事を知って欲しい。
難症例には正確な診断と綿密な治療計画が不可欠なのである。
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