2023年11月01日 口腔内細菌と口腔内環境 筆者の後輩も通常の患者さんと同様に治療に通ってもらう事が多い。歯科医師では無い後輩も多く、口腔内環境も決して良いとは言えないので、彼らに定期健診は必須なのである。 後輩の治療時に不思議な現象を感じる事がある。どう考えても親知らずが腫れてしまう様な(悪い)口腔内環境であるにも関わらず、その様なトラブルが起きた事が一切無いという。 親知らずのポジションが深く、抜歯後の治癒に時間が掛かる事が予想されたので、抜歯は見送って定期健診で経過観察をしていた。 そんな可愛い後輩の親知らずが腫れてしまったという。数年間定期健診で経過を見ていたにも関わらず、親知らずが腫れてしまったのである。来院してもらい口腔内を見ると確かに親知らずが腫れている。口腔内環境に大きな変化が無いが、数年間問題の無かった親知らずが腫れている。後輩に詳細な問診を取ると、最近同棲を始めたという。更に詳細な問診を取ると(やはり)お相手には虫歯が非常に多いという。つまり口腔内細菌叢が変化したために、親知らず付近の歯肉が細菌感染して腫れてしまったという事なのである。 可愛い後輩のお相手にも治療に来て頂いて、口腔内細菌の低減を兼ねた治療をが必要な事を説明する。結果的にお二人とも口改善すれば改善すれば、お互いの口腔内細菌が移動して相手に迷惑を掛ける事も無くなるのである。口腔内細菌は移動してしまうという困った特性を持っている事をしって欲しい。 医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック 理事長 北田雄丈 〒110-0005 東京都台東区上野6-16-16 上野ORAGAビル6F 03-5816-0345