• メタルとセラミック

    歯科治療の中で、神経の治療が必要な程ではないが、虫歯は浅くはないという中程度の虫歯を治療する場合には、小さな虫歯を治療する歯科用レジンを詰めて硬化させる修復方法では歯科用レジンが割れてしまう可能性が高い。中程度の虫歯を治療する場合には、型どりをして作成した人工歯を接着して修復を完了する事が多い。型どりして作成する人工歯には、金属の物と非金属の物があり、現代の歯科治療では金属の人工歯を使用するメリットはあまりない。

    現代の歯科医療では、天然歯に近い特性を持つセラミックが非金属の人工歯の代表であり、歯の修復にセラミックの人工歯を使用するメリットは多い。虫歯が深い場合、金属の人工歯で修復すると不快症状が残る場合がある。セラミックの人工歯を使用するメリットに、深い虫歯でもセラミックの強度を担保できる点と、不快症状が少ない点、虫歯の再発が少ない点がある。接着様式も金属と非金属では全く異なるので、人工歯が外れるというトラブルも圧倒的に少ない。

    虫歯を除去した後に形を整えて型どりを行うが、金属と非金属のセラミックでは材料の特性が大きく異なる為に、その形の整え方と型取り前の削った歯の理想形が大きく異なるので、歯科医師は金属を使用する治療とは別の視点を持って治療する必要がある。使用する器具も異なるので、非金属のセラミックで歯を修復する専門のコースの受講と研鑽も必須であろう。

    重要ではあるが、あまり知られていないテクニックと歯科医師のセンスが非金属のセラミックを使用する歯科治療には必須なのである。

     

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

    〒110-0005

    東京都台東区上野6-16-16 上野ORAGAビル6F
    03-5816-0345
  • 歯科の歴史を知る

    オールセラミックの人工歯・金属を使用しない築造体・永久歯に代わるインプラントを使用することは現代の歯科治療では必須であるが、それぞれについて進化の歴史を知っている歯科医師は少ない。どのような発想で開発され、問題はどの様にして改良されて現代に至るのかを知らずに、漫然と使用するだけでは現代の歯科治療に深く精通する事は不可能である。
    自社の商材・商品に対する知識が乏しい人物は少なくとも仕事の上では信用できない傾向がある。歯科の歴史を知ろうとして学んだ訳ではないが、歯科を深く学ぶと自然と歴史にも精通する。

    幼少の頃から身内の歯科医院に出入りしていたので、それなり以上に歯科治療の進化を肌で感じているが、根本的な概念はあまり変わっていないと思う。
    クリニックは清潔になって診療姿勢も変わり、グローブの装着と同様に高倍率の歯科用拡大鏡を使用しての診療はスタンダードになっているので、歯科治療に対する根本的な概念を現実化出来るのが現代の歯科治療と言える。

    歯科診療を支援する周辺機器の更なる進化を期待したい所であるが、歴史を知る前に長い間イノベーションが止まっているのが残念ではある。

     

    医療法人社団 K-スマイルデンタルクリニック
    理事長 北田雄丈

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  • リカバリー能力

    歯科医師に最も必要な要素は、リカバリー能力であることは論を待たないだろう。
    実際の所、リカバリーへの対応の殆どはクリニック内のマテリアルを使用すれば解決出来るのだが、誰にでもこういった発想が出来る訳ではない。
    日々の臨床のに使用するマテリアルへの理解が浅いと、単一の使用に終始してしまい、応用する事が出来ない。

    日々、単純で簡単な診療に終始しているだけでは歯科治療に重要なイマジネーションが湧いてくることは絶対に無い。
    一般的には難症例に分類される治療を日常的に行っていると、イマジネーションの重要性を良く理解出来るが、こういった会話が歯科医師同士で成り立つ確率は33%なのが現状なのである。
    時間というのは残酷な物で、1年もあっという間に過ぎてしまう。歯科医師としての経験年数だけが長くても、治療に対するイマジネーションとリカバリー能力を持たない歯科医師は多い。

    歯科治療という分野は細かい作業の積み重ねなので、今日新しい講習を受けたからと言って、明日から劇的に治療技術が向上すると言う事は絶対に無い。
    日々の診療と患者さんに真摯に向き合う事の積み重ねで、初めてスタートラインに立てるのが現実であろう。
    歯科医師として臨床に携わって25年が経過すると、業界全体の向上という事も考慮する様になる。
    2022年も間もなく終盤である。

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  • インプラントの分析は複数回必要

    インプラント本体を埋入する際の要は、インプラントの方向・角度・深度であり、事前に埋入する骨の硬さを知っておく事も重要である。

    CT撮影・レントゲン撮影・口腔内模型・治療計画に基づいた初期治療時に決まった顎位を資料として、インプラント手術時に必要な分析を行う。

    分析は、準備、ステントの作成、ステントの確認と修正、手術のシュミレーションの順番で行うが、分析を一度行えば終了というものではない。

    分析を見直す事によって、異なる視点と発見がある事が多いので、手術までには数回分析を見直して、適宜修正する事が必要不可欠なのである。

    インプラント治療というのは、手術前の準備と分析と理解が75%を占めるものである。

    インプラント治療は、その歯科医院の総合力が問われるので、インプラント治療がきちんと出来る歯科医院の治療レベルは高い場合が多い。

    手術当日は分析結果に沿った操作をしているので、術者である筆者は極めて冷静に淡々と手術を進めているので、縫合終了まで高い集中力が維持出来ている。

    手術中に異常に興奮する昭和の時代の口腔外科医は、現代では完全に過去のものになっている。

    綿密な治療計画の元に歯科治療を行うのは現代の常識であり、特に治療初期に患者さんに対して分かりやすく説明する事が大切である。

     

    インプラント治療は手間と時間が掛かるが、再び歯が再生するという確実な治療効果が得られる。

    資料はデジタルの情報でも、実際の手術はアナログなのである。

     

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    理事長 北田雄丈

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  • 非通知設定とイタズラ電話

    当クリニックにもイタズラ電話が掛かってくる事がある。特定の人物からのイタズラ電話が希に掛かって来るのである。イタズラ電話に対しては特に対策はしていなかったのであるが、単純な対策をする事にした。固定電話を非通知設定からの着信を拒否する設定にしただけである。固定電話に触れるのはクリニックのみなので、携帯電話の様な設定が出来る事を知らなかった。
    固定電話の着信履歴を見たところ、非通知設定はイタズラ電話の主だけであった。用事のある方は通知設定をして電話を掛けてくれるので、特に問題は無いのである。

    30年ほど前に夜中に掛かってきたイタズラ電話への対策では、電気店で相手の電話番号が液晶画面に通知される装置を購入した。驚いた事にイタズラ電話の相手の電話番号が表示され、(夜中に)折り返しの電話をしたところイタズラ電話は収束した。テクノロジーの発展により、イタズラ電話という古典的なイタズラも収束に向かっている。テクノロジーの発展についていけない人間はイタズラでさえ不可能な世の中なのである。

    世の中はテクノロジーの発展により、健全な方向にむかっている。

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